秀丸エディタの本を書いた

「今さら秀丸エディタ?」と思われるかもしれないが、日本語の文章を執筆する上では秀丸エディタは有力な選択肢になると私は信じている。この度、既にエディタを使って執筆している方を対象とした秀丸エディタ本を出版したので、簡単に紹介しておく。

書いた本

執筆を効率化したい人のための秀丸エディタ実践入門 - Kindleストア

f:id:stakiran:20190507072518j:plain

どんな本?

本書には「執筆の効率化」「秀丸エディタ」という二つの軸がある。

執筆の効率とは、執筆(テキストエディタで文章を書くこと)の効率を指す。効率というとピンと来ないかもしれないが、エディタの機能や設定、テキストファイルの扱い方や変換など、執筆においては 知っているかどうか・身に付けているかどうかで効率に何倍・何十倍と違いが出る ことがある。本書では、このあまり意識されない「執筆の効率」について、意識的に焦点を当て、読者が自ら執筆の効率を高められるようになることを目指す。

また本書は秀丸エディタ本なので、秀丸エディタに関する解説が大半を占める。本書では基本的な機能に限らず、設定や操作方法の仕組みやコンセプトといった話題にも言及している。レシピのような即効性は無いが、実践に役立つ知識が身に付くものと期待している。また、秀丸エディタを知らない、あるいは興味があるユーザーが、秀丸エディタがどんなものであるかを手早く知るのにも役立つだろう。

対象読者

既にエディタを使って執筆しているが、エンジニアやプログラマーほど高度ではない方 を対象としている。

本書には「インストールって何?」というような初心者向けの解説はない。また、本書はエンジニアやプログラマーから見たら「そんなの知ってるよ」「ヘルプに書いてあることじゃん」であり、退屈に映るだろう。

部と章の解説

本書は 5 つの部から構成している。全体像を簡単に紹介する。

第1部 秀丸エディタの基礎知識

秀丸エディタを使う上で押さえておきたい基本事項を解説している。

  • 第1章 入手とインストールと初期設定
  • 第2章 画面構成と見方
  • 第3章 秀丸エディタのヘルプを理解する
  • 第4章 秀丸エディタの機能(コマンド)を理解する
  • 第5章 機能(コマンド)を呼び出す4の方法

これらを知っておくと、秀丸エディタと付き合いやすくなる。いわば秀丸エディタにおける基礎と言える。このあたりを知らないと「多機能すぎて何がなんだかわからない」となるが、知っておけば何かとあたりをつけやすくなる。

第2部 基本的な操作や概念

テキストエディタ全般において通用する基本的な操作や概念について解説している。

  • 第6章 「元に戻す」と「やり直し」
  • 第7章 コピペの基礎
  • 第8章 検索
  • 第9章 置換
  • 第10章 文字数を知る
  • 第11章 表示制御 ~より読みやすい表示を求めて~
  • 第12章 ジャンプ ~カーソルを素早く移動させる~
  • 第13章 他のファイルを素早く開く

解説は、これらを知らない方向けに「これはこういうものです」「最低限使うにはこのようにします」という感じで、わかりやすくしている。単にヘルプを読んだり、ネットで調べたりするよりも丁寧にしてみたつもりである。

逆に、既に知っている方・使いこなしている方にとっては退屈になるだろう。

第3部 高度な操作や概念

テキストエディタまたは秀丸エディタにおける、割と高度な操作や概念について解説している。

  • 第14章 grep
  • 第15章 正規表現
  • 第16章 マクロ

高度な分、ややこしいものでもあるが、未経験者でも最低限使いこなせるよう、丁寧な解説を心がけた。ページ数や画像も多少多めに費やしている。

第4部 アウトラインと Markdown

私も常用しているアウトラインと Markdown について解説している。

  • 第17章 ファイルタイプ別の設定
  • 第18章 アウトライン ~見出しと目次による階層的俯瞰~
  • 第19章 マークアップ言語 Markdown ことはじめ

こちらも内容的には高度で、マニアックと呼べるレベルかもしれないが、私が常用している手段でもあり、また秀丸エディタから離れられない理由でもある。秀丸エディタの真価とも言えるだろう。余力があればぜひチャレンジしていただきたい。

第5部 設定に関する高度なトピックス

他の部に入らなかったネタを扱っている。具体的には秀丸エディタの設定に絡むネタを二つほど。

  • 第20章 関連付け ~ファイルを秀丸エディタで開く方法とその仕組み~
  • 第21章 設定のバックアップと共有

これらは直接執筆の効率には役立たないが、人によっては知っておくと便利だと思われる。