著作権表示はどう在るべきか
プライベートでは GitHub で生成した MIT LICENSE ばかり使っているが、会社ではそうはいかない。また「その表示は冗長すぎる」「いやこれで良い」的な議論も発生することがある。
というわけで著作権表示はどう在るべきなのか調べてみた。
結論
© 2019 stakiran が良い。
最低限必要なのはコピーライトマーク(Copyright とか (c) はダメ)と、発行年と、著作者名。これ以上は過剰情報なので無くてもいい。また順序も問わない。
注意点1: 方式主義国への対策がメイン
実は大半の国では著作権は自動発生するので記載さえ不要。
しかし一部の国(方式主義)では © 2019 stakiran の記載がないと著作権が保護されない。
注意点2: 現在では権利者明示用途がメイン
著作権表示の目的は、どちらかと言えば 権利者を明示的に表明する手段 になっている。
- 例1: Copyright © 2017-2019 stakiran All rights reserved.
一番明示的な例。これだとしっかり主張している感が出るし、2017 年から最近まで更新されていることを読み手に与える。
- 例2: © 2017 stakiran
これは手抜き感が強い。2019 年現在では「あれ?最近は更新されてないのかな」という印象を受ける。
注意点3: 書き方のルールが定まっている場合はそれに従う
ルールとして表記方法を定めている場合があるので、従うしかないこともある。
例:
- 会社「うちは Copyright(C) 2000-2019 XXXXX と書くルールになってんだよ」
- 会社「発行年-更新年の表記も必須だ。更新年は面倒くさくても毎年更新しろ」
参考
- 著作権表示 - Wikipedia
- よく見かけるあの©表示って何の意味なのかな?【よくわかる音楽著作権ビジネス】 - INTERNET Watch
- 著作権なるほど質問箱 - 文化庁 の「マルCマークと著作権」ページ
詳しく
少し歴史的経緯を読み解く
参考でも挙げた以下ページがわかりやすい。
- 著作権なるほど質問箱 - 文化庁 の「マルCマークと著作権」ページ
まとめると、
- 1: アメリカで保護されない
- 元から日本では無方式主義(自動的に著作権が発生する)だった
- でもアメリカでは方式主義(政府に登録したものだけが著作権を認められる)だった
- このままではアメリカでは日本の著作物が(政府に登録されてないから)保護されない、どうしよう?
- 2: 万国著作権条約
- 万国著作権条約「©、氏名、発行年が記されたものは著作物として尊重しなさい」
- アメリカもこれに加盟したので、日本の著作物も尊重されるようになった
- 3: ベルヌ条約
- ベルヌ条約「うちに加盟した国は無方式主義です」
- アメリカもこれに加盟したので、©、氏名、発行年表示は無くても済むようになった
- 4: 現在
- ©、氏名、発行年表示は「権利者を明示的に示すための表記」として用いられる
万国著作権条約の該当箇所
「第3条〔保護の条件〕」の 1 を見ると、
自国外で最初に発行され、かつ、その著作者が自国民でないものについて、著作者又は著作権を有する他の者の許諾を得て発行された著作物のすべての複製物にその最初の発行の時から○Cの記号が著作権を有する者の氏名及び最初の発行の年とともに表示されている限り、これらの要求が満たされたものと認めなければならない。
とある。意訳すると「©、著作者名、発行年の記載があったものは(他国のものであっても)ちゃんと著作権を尊重してね」といった感じか。