秀丸エディタから離れられない理由
本格的なプログラミングでは IDE を使うが、それ以外ではほぼ秀丸エディタを使ってる。離れられない理由がある。
- 理由1. アウトライン機能がある
- 理由2. 日本語に強い
- 理由3. シンタックスハイライトを GUI で自由に拡張できる
- 理由4. ヘルプが日本語で充実している
- 理由5. 任意の操作に任意のショートカットキーをアサインできる
- 理由6. マクロがある
- おわりに
理由1. アウトライン機能がある
アウトラインとはテキストを見出し単位で階層化する機能。
私はこれが無いと死ぬ。アウトラインは言うなれば 「テキストを見出しという単位で扱えるようにする」 ものであり、もっというと 見出し単位でジャンプしたりコピペしたり並び替えたり、あとは上記画像にもあるけど目次表示して俯瞰する ことができる。アウトラインの有無は、メモ帳以外のテキストエディタを使うかどうか、というくらいに違う(私にとっては)。
アウトラインのおかげで何万、何十万という文字になっても快適にテキストを打てる。読める。もしアウトラインがなかったらファイルにたくさん分割してエクスプローラーとにらめっこするか、スクロールバーを掴んであちこち行ったり来たりすることになる。
で、秀丸の良いところは、
- アウトラインをまんま「アウトライン」という名前で、専用の機能として 搭載していること
- 「こんな行(正規表現)をアウトラインとみなす」というシンプルな設定でカスタマイズできる
この二点。この二つを満たしてるテキストエディタは他にはないだろう。Sublime Text や Terapad や Notepad++ には無かった。どころか VSCode も Atom といった IDE にさえ無かった。「シンボル」「関数一覧」みたいな類似機能はあったが、アウトラインには遠く及ばない。 この辺の思いは Qiita に書いた けど、とにかく秀丸エディタが頭一つ飛び抜けているように思う。
え?アウトラインプロセッサ?要らないです。アウトラインプロセッサは、確かにアウトラインは実現できるけど、エディタ機能が弱いので話にならない。秀丸エディタレベルのテキストエディタ上でアウトラインできることに意味がある。
理由2. 日本語に強い
これも重要。秀丸エディタには以下がある。
- 日本語絡みのバグに遭遇しない
- 縦書き
- 禁則処理
- 文字数カウント
小説執筆にも耐えうるポテンシャルである。秀丸エディタしか知らないと何も感じないが、エンジニア向け(プログラミング用途の)エディタ とか使ってるとこの恩恵がよくわかる。
理由3. シンタックスハイライトを GUI で自由に拡張できる
秀丸エディタではシンタックスハイライトを GUI から 自由に拡張できる。
他のエディタだとやたら XML やら YAML やらややこしい構文を触らせるが、そんな面倒くさいことはせずに済む。それら設定ファイル駆動の利便性はわかるけど、シンタックスハイライトは一度設定したら終わりだし、色情報を指定することもあって GUI の方が使いやすいんだよね。
え?メジャーなエディタならシンタックスハイライトなんてデフォでついてる?そうかなぁ。少なくとも私が最近始めた AutoHotkey はそうじゃなかった(エディタではないがせいぜい GitHub が対応してるくらいで Qiita さえも対応してない)。そうでなくとも既存のシンタックスハイライトには細かい不満があり、カスタマイズしたいことが多い。シンタックスハイライト設定をいじれることは地味に重要なのである。
理由4. ヘルプが日本語で充実している
秀丸エディタのヘルプはオフライン(chmファイル)だが優しい。
- いちいちオンラインヘルプに飛ばされて重たいページを開かされない
- Google の海に投げ出されたりもしないし
- ヘルプそのものが読みやすく網羅的である
- 製品ソフトウェアにありがちな、やたら抽象的で的を得ない解説だったり下手な日本語訳だったりといったこともない
さすが日本屈指のシェアウェアとして初心者から上級者まで支え続けてきただけある。
理由5. 任意の操作に任意のショートカットキーをアサインできる
業務利用するレベルのテキストエディタなら大体備わっているが、秀丸エディタも(エディタがサポートする)任意操作に任意(といっても Modifier + 文字キーorファンクションキー)ショートカットを割り当てることができるようになっている。どの動作をよく使うか、あるいはどのショートカットキーが押しやすいかは人それぞれなので、この設定は重要だ。
特に秀丸エディタが優れているところは
- GUI でアサインできる
- キーを押すことなく選択肢から選ぶことで設定できる
この二点だろう。特に二つ目。見え方としては「この Modifier + この文字キー」に対する操作は「これですよ」という見え方になる。どのキーに何を充てているかがわかりやすい。
使いづらいシステムだと「この動作」に「このキーが割り当てられてますよ」という見え方になっていることがあり、これだと「どのショートカットキーが空いてるのかがわからない」問題がある。前者を採用した秀丸エディタは賢い。使いやすい。
理由6. マクロがある
編集作業を自動化したり、外部プログラムと連携したりするのにマクロ機能は必須である。秀丸エディタは操作を記録するやり方の他に スクリプトを書くやり方 もサポートしていて、これがすこぶる便利なのである。特に日頃からスクリプティングに慣れている私のような身には大変ありがたい。
何ができるかというと、
- 外部プログラムを呼び出す
- テキストを取得してクリップボードにコピーする
- backspace や enter を押下する
これくらいのことは造作もない。その気になれば タスク管理ツール なんてレベルのブツも作れちゃう。
言語仕様は決して使いやすいとは言えないが、エラーメッセージは親切だし、ヘルプも読みやすいのでオフラインで作業できる(ググリゲーにならない)。
おわりに
ふと「なんで秀丸エディタから離れないんだろう」と思って書いたのが本記事であるが、思っていた以上にどっぷり浸かってるようだ。特にアウトライン機能。まだまだ離れられそうにない。