煩わしい会社雑務の負担を軽減するためのアイデアや方法
雑務は煩わしいので極力減らしたい。まずは整理も兼ねて、自分の立ち位置や考えなどを雑多にまとめてみることにした。
前提
「雑務」の定義:
- 雑務 = チームメンバーや部署全員のために誰かが背負わねばならない、(PJではなく)会社や部署として必要な雑務、と定義する
- その雑務を自分が背負ってしまっているという状態を想定する
自分の立場:
- 自分 = 下っ端(新人とか平社員とか)
- 自分は大企業に勤務している。さらに以下を満たす。
- ホワイトワーカー
- お茶くみやコピー取りといった古臭い雑務が無い程度にはリテラシーがある
- 会議室予約システムが備わっている程度にはシステムが整っている
本記事が扱う/扱わない観点:
- 雑務を行う意義については議論しない
- あくまで雑務にかかる手間をできるだけ減らす、という観点のみを語る
(フォーマット)
(ここに雑務の概要)
Before:
- (ここに従来のやり方や問題点)
- (ここに従来のやり方や問題点)
- ...
After:
- (ここに負担を軽減するアイデアや方法)
- (ここに負担を軽減するアイデアや方法)
- ...
コメント:
- (その他補足などをつらつらと)
- (その他補足などをつらつらと)
- ...
出欠確認
飲み会やイベントの参加可否を尋ねる系の雑務。
Before:
- 口頭で一人ずつ
- 尋ねる側の負担が大きい(一人ずつ物理的に回っていくのは面倒くさすぎる)
- 尋ねた時に雑談が発生して時間を食われやすい
- メールで訊く
- 受信ボックスが錯綜する
- 状況を俯瞰できない
- 共有フォルダに置いた Excel ファイルを各自が編集
- 編集ロックや競合が発生して記入がだるい
- 重い
After:
- ブラウザで答えられるシステムを使う
- ロックや競合が発生しない
- 軽い
- :x: システム構築とメンテが大変
- ホワイトボードをぶら下げておいて「各自記入して」にする
- 準備が簡単
- ロックや競合が発生しにくい
- :x: 勤務場所が違うメンバーには使えない
コメント:
- デフォルト選択肢
- Aさんは何も言わなければ参加、Bさんは何も言わなければ不参加、みたいなデフォを決めておく
- n人分デフォを決めておくと、n人分の参加可否ヒアリングを省ける
- マグネットプレート
- ホワイトボード形式で運用する場合、名前を書いたマグネットプレートを動かす方がラク
電話応対
いわゆる電話番。ここでは「社内の誰か」から「自分の部署」にかかってきた電話を「常に自分が取る」という前提にする。
Before:
- アットランダムにかかってくる&かかってきたら取らないといけない
- いちいち集中を乱される
- (電話頻度にもよるが)コードリーディングや設計みたいな集中を要する作業はまともにこなせない
- あまり集中しなくていい仕事をしてる人や、名指し人になる人が多いのに、無関係な自分が全部取らないといけないのが理不尽
- もう仕事や対人関係には慣れたのに、年下だからと対応を任されているという理不尽
After:
- 電話をかけてきた人の認識を改めてもらう
- 例1: どうせAさんに繋ぐんだから、もうAさんに直に連絡してくれません?
- 例2: 急ぎでないならメールやチャットでお願いできませんか?
- 電話をかけてきた人と必要以上に仲良くならない
- 仲良くなると頼られて何度も電話される
- 仲良くなると雑談で時間を食われる
- 無愛想くらいでちょうどよい
- 雑談が発生しそうなら「打ち合わせがありますのでこれで」等で上手いこと逃げる
- 電話応対のフローをマッスルメモリ化(手続き記憶化)する
- 呼吸のようにサクサクこなせるようになれば心身的には楽
- 練習すべきは...
- 電話機の操作方法
- 伝言メモの書き方や運用方法
- 名指し人になりえる人物の名前と座席位置
- チームメンバー全員の不在予定の把握(定期的に眺めることを習慣化しておくと良い)
- 仕事に熱中していて電話に出れないフリをする
- 本当に集中している時はこれで難なく回避できる
- :x: 頻繁に使うとメンバー間で不満が蓄積されやすい
コメント:
- 「こうすれば抜本的に改善できる」という銀の弾丸はないので、一つずつ対象を絞って削減していくしかない
- 対象1: 電話をかけてくる人
- 対象2: 自分(特に電話応対に関する習熟度)
- 電話応対が向いてない or イヤなら、その旨を進言してみるのもアリ
- ただしチームメンバーや上司を納得させる根拠が必要
- 例1: 「私、ADHD なんです」
飲み会の幹事
懇親会、歓迎会、新年会忘年会など飲み会全般の幹事というお仕事。
Before:
- 出欠確認、出欠確認フォロー、日程調整、店舗予約、代金徴収など雑務のオンパレード
After:
- 飲み会ではなくランチに変える
- 懇親会や歓迎会の類はランチで十分事足りる
- 夜遅くないので参加しやすい
- ランチは1時間くらいなのでだらだらせずに済む
- アルコールが入らないのでだらだらせずに済む
- 必要なら上司権限で +1 時間くらいして業務扱いしてしまえばいい
- :x: 提案して承認してもらうまでが大変(というか役職高い老害には通じない可能性大)
- 飲み会幹事対応が向いてない or イヤなら、その旨を進言してみるのもアリ
- ただしチームメンバーや上司を納得させる根拠が必要
- 例1: 「私、ADHD なんです」
完了フォロー
チーム全員が対応しなきゃいけない雑務に対して、「皆さん終わりました?」とか「Aさん、まだ終わってないみたいなのでお願いします」とかいったフォローをする役目。
Before:
- 面倒くさい
各自がちゃんと締切までに遂行しようよ、それくらいの自己管理もできないの?
After:
- 上司に「私が言っても効果が無いのでお願いします」と代わってもらう
- 下っ端の自分よりも上司の方が発言の力は強い
- 終わってない人に恥をかかせる
- 例1: メンバー全員が見ている場所で「Aさん、この件がまだですけど」と確認する
- 例2: 例1に加え「フォロー回数カウント」を付記しておく
「Aさん、この件、対応お願いします(フォロー累計: 6回)」
- :x: 人間関係に亀裂を生みやすい
会社行事担当
(特に部署やオフィスを横断するような大規模な)会社行事の運用を担当する仕事。新人歓迎会や忘年会、その他クリスマス会や、場合によっては社内旅行もあるかもしれない。ステークホルダーと規模が増える分、雑務も鬱陶しくなりがち。
Before:
- 進行させるために他チームとのコンタクトや返事待ちが必要でだるい(待ちが発生してもどかしい)
- 担当者が集まれるタイミング≒定時後、というわけで雑務が定時後に食い込みやすい
- 上の人間も多数参加するため、形式やら配慮やら何やらを重視せざるを得ず、制約が多くてストレス
- (私の観測範囲だが)効率的な仕事術やものの見方を知らない人間(特に総務、事務、庶務サイドの人達)が多く、全体的にだらだらしがち
- そして説明してみても通じない
- 会場設営や撤収などの物理作業(力仕事)が発生する
After:
- 会社行事担当が向いてない or イヤなら、その旨を進言してみるのもアリ
- ただし部署のメンバーを納得させる根拠が必要
- 例1: 「私、ADHD なんです」
- 例2: 「前にやってみましたけど一悶着ありまして……」
コメント:
- (会社にもよるが)これは下っ端の洗礼みたいなものなので、よほどの理由がなければ断れない
- 現実的な回避方法は 一度参加してみて、そこで一悶着起こす ことだろう
- 一悶着 = 参加する、無駄や非効率を積極的に探し、指摘し、議論し、衝突する
- 改善されればそれはそれで良し
- 改善されなければ嫌われて、もう来るなとなる
会議関連
会議=チーム内や部署内で行うローカルな会議、とする。またコードレビューなど開発上の打ち合わせは含めない。
会議全般
はじめに会議全般の TIPS をまとめておく。会議絡みの雑務は会議が無ければ発生しない ので、そもそも会議をいかに減らすかが重要。
After:
- 会議時間を無闇に引き伸ばさない
- やることがないなら「しない」もアリ
- 「しない」勇気
- 会議をしないことは罪ではない
- 単に情報共有や報告がしたいだけなら「資料展開&各自読んでね」で事足りる
- ファシリテーターとタイムキーパー
- 進行役と時間計測係を決めないと、凡人はすぐ話が逸れる
- 凡人=効果的効率的な会議テクを知らない or 知っているけど周囲に働きかける力が無い人
- アジェンダとゴール
- アジェンダ(議題と進行順序)とゴール(各議題で何をしたらゴールなのか)を決めておく
- 会議時は事前に強調する
- 必要最小限にアジェンダの通りにゴールに行くことだけを考える
- 参加人数はできるだけ最小限に絞る
- 多いと発散しやすいし、関係ない話題で手持ち無沙汰な人も出る
コメント:
- 改善や削減の余地は腐るほどある(その手の本も山ほどある)が、下っ端レベルでは全員に周知させづらいのが辛いところ
- 自分主体の打ち合わせ(自分がレビューイとなるレビュー等)では積極的に盛り込みたい
資料作成
会議中に投影、または配布する資料の作成。
Before:
- パワーポイントやワードで作る
- 重い。遅いしストレスもかかる
- 見栄えの編集に時間を取られがち(無自覚なケースもアリ)
After:
- テキストファイルで作る
- 作るのが楽
- :x: レガシーな人種から「手抜きだろ」と反感を買われやすい
- 図表や別ファイルで用意する
- 会議中は必要に応じて当該ファイルを別途開いて見せればいい
- 原稿ファイルにマージする手間がない
- 複雑で動的な図表は事前につくらず、会議中にホワイトボード等に描く
- 事前に時間かけてつくるのはだるい
- 時間かけてつくっても結局ホワイトボード使う羽目になる(ことがある)
- だったら最初からホワイトボードで説明すればいい
コメント:
- Plain Text で十分事足りるという点を周知できるかどうか にかかっている
会議室予約
会議を行う場所を確保する雑務。(環境は会社次第だが)ここでは「会議室を会議予約システムにて事前予約して利用するスタイル」を前提とする。
Before:
- 競争率の厳しい会議室の空きを頑張って探して確保するというつまらないお仕事
- 予約は入っているが使われていない会議室を見つけて、予約者にコンタクトを入れる(使ってないなら譲ってもらう)というコミュニケーションコスト
After:
- 定期的に開催する会議なら定期予約しておく
- before: n回分やるならn回分の予約が必要
- after : n回分の予約が1回の予約で済む
- :x: n回分まとめて取れるケースは稀
- 定期開催が無くとも、とりあえず定期予約しておく
- チームの会議開催頻度が週2回、各1時間程度であれば、1時間の予約 x2 を先に取っておく
- 会議日時決定→予約ではなく「会議室予約→その日時で会議する」という発想 と言える
- 本当に会議室が必要なのか考え、要らないなら予約しない
- 例1: オープンスペース等で代用できないか
- 例2: 廊下で立ち話で済まないか
- 例3: 自席に集まって話し合うだけで済まないか
議事録
会議の議事録を取るお仕事。
Before:
- 単純に面倒くさい
- 議事録書いた後の承認フローがだるい
After:
- 議事録のフォーマット/テンプレートを定めて機械的に書き込めるようにする
- 精神的に楽
- 決定事項とその根拠や意図はちゃんと書くべきだが、それ以外の過程は書かない
- 議事録を Wiki などのオープンスペースに展開し、参加者が自由に加筆修正できるようにする
- 承認フローを経ずに自浄作用で自然と完成する
- 議事録を投影しながら会議する
- その場で修正しながら FIX できるため会議後の対応がゼロになる
- 議事録対応が向いてない or イヤなら、その旨を進言してみるのもアリ
- ただしチームメンバーや上司を納得させる根拠が必要
- 例1: 「私、ADHD なんです」
お土産の配布
出張時や旅行時に買ってきたお土産を、チームメンバー全員に一人ずつ配っていく雑務。
Before:
- 面倒くさい
After:
- 「ここに置いといたので一人一つ取ってね」で済ませる
- 雑務マン(後述)に任せる
コメント
- 雑務マン
- 実業務よりも雑務を喜んで行ってくれる人
- (私の観測範囲では)IT技術に全然興味は無い、やる気もないという女性社員が雑務マンとなって(エンジニア気質の多い)チームで重宝される、という事例が数件あった
- 重要なのはその人 自らが能動的に雑務していて、かつ 「私、ぶっちゃけ開発とか技術とか興味ありません。その分、雑務方面で貢献したいです」的な主張をしている こと。そうじゃない場合に頼むとセクハラやパワハラになりかねない
おわりに
長々と書いてきたが、雑務を回避するための戦略は以下三つしかない。
- 戦略1. やり方を工夫する(個人で出来るもの)
- 戦略2. やり方を工夫する(上司やチームを巻き込む必要があるもの)
- 戦略3. 雑務要員から自分を外してもらう
戦略1 はどんどんやればいい。が、これで対処できる雑務には限りがあるため効果は薄い。
戦略2 は一番難しい。そりが合わず(特に目上の相手によって)一蹴されるケースもしばしば。また下手に巻き込もうとすると反感を買われるデメリットもある。反感を買われないよう、周到に工夫を浸透させようと頑張ることもできなくはないが、それはそれでまた手間がかかる。
戦略3 は利己的でネガティブな戦略。方向性は二つあって「やむを得ないと思ってもらう」あるいは「嫌われることでハブられる」の二つ。後者は人間関係や居心地的にオススメはしない。前者も前者で、やむを得ないと思ってもらえるレベルの事情となると、かなり限られてくる。「ADHDなんです」みたいな病気のレベルになる。
結論として言えるのは 雑務を回避するのは意外と難しい ということ。雑務を回避することに尽力するくらいなら、転属や転職した方がマシかもしれない。実際、部署や会社によって、雑務の量は驚くほど違う。