情報共有に Word/Excel/Powerpoint/PDF in 共有フォルダよりも Wiki を使うべき 6 の理由

未だに WEPP(Word/Excel//Powerpoint/PDF in 共有フォルダ) が主流なのが辛い。Wiki を使った方が絶対に捗るのに。

理由1. 軽い

WEPP だと1ファイル開くだけでも10秒以上待たされることが多々ある。その上、WEPP アプリ自体が非常に重く、あれもこれも開いているとすぐに PC 全体が重たくなる。

Wiki だとブラウザでタブを開くだけなので軽い。

理由2. 検索できる

WEPP だと全文検索が出来ない。出来ないことはないが高尚なシステムが必要になるし、導入したとしても共有フォルダ上では遅いのでどのみち使い物にならない。

Wiki なら検索機能でサクっと探せる。尤も Google みたく賢くはないが、それでも無いよりは断然マシ。Wiki サーバーへのログインが許されてるならデータファイルやデータベースを直接参照して探してもいい(ちなみに Pukiwiki ならテキストファイル、Mediawiki なら DB)。

理由3. タブブラウズできる

ブラウザの優れているところはタブブラウズだと思う。複数のページをタブで開いて、自由に切り替えて読めるというインタフェースはもはや無くてはならない。これが無いとスクロールやら何やらあちこち行ったり来たりが必要で非常に読みづらい。そんなの短期記憶の優れた地頭優秀マンにしか出来ない。凡人にそんな負担を強いるのは間違っている。

Wiki はブラウザで読むからタブブラウズができる。WEPP はできない。

理由4. 更新履歴がわかる

WEPP には更新履歴は無い。Word には機能として備わっていないこともないが、使いづらいし重たい。結局「更新履歴ページ」にて表とか使って律儀にまとめていたりする。

Wiki だとデフォで更新履歴を記録してくれる。いつ、誰がどこを更新したかを追うことができる。人手でいちいち更新する必要はないし、下手な人手更新よりも読みやすく、また網羅的である(人手はしばしば抜け漏れが生じる)。

理由5. 情報発信を促せる

WEPP だと「執筆コスト」が高いので、気軽にあれこれ書こうとは思えない。

Wiki だとコストが軽いので、気軽に書ける(それでも依然として書かない人が多数派ではあるが)。気軽に書けるから情報が集まりやすい。

理由6. デザインではなくコンテンツに集中できる

WEPP ではレイアウトや装飾も自在に設定できる分、デザイン症候群(必要以上に凝って時間を無駄に使うこと)が多い。それで仕事した気になってしまう。

Wiki では最低限の文法があるだけで、基本的にコンテンツ(テキスト)そのものを書くことに集中できるので、そんな寄り道もなくなる。

==== 以下 Q & A ====

Q: それでも全ドキュメントを Wiki に移行するのは違うと思う

Ans: 同感

たとえばお客様向け資料になると「Wiki を見て」では済まない。WEPP でちゃんとしたドキュメントを整える必要がある。そこは理解している。

たとえば「管理職限定資料」みたいに閲覧者を限定すべき資料がある。Wiki ではアクセスコントロールができないので、WEPP は必要だ。

このように WEPP が有効な場面は多数ある。ただ私が言いたいのは「身内で共有する程度のドキュメントについては、WEPP じゃなくて、もっと軽い手段(Wiki)で共有すればいいじゃないの」という話。

Q: 軽さや使いやすさってそんなに重要?

Ans: 重要

ドキュメントを読むことの目的は「知りたいことを知ること」だ。あるいは「何度も読み込むことで知識として定着させること」だ。そのための負担はできるだけ少ない方がいい。

WEPP だと負担がかなり大きい。読むことに集中できない。

Wiki だと負担が小さい。WEPP よりはるかに集中できる。

「WEPP でも別に負担は大して大きくないんじゃない?」 それはただ無知なだけだ。WEPP しか知らない。Wiki を知らない。Wiki を知れば、そんな認識はひっくり返る。

Q: でも Wiki 使うのってリテラシーが必要だよね?

Ans: そうなんですよねー

業務で Wiki が流行らない理由はそこにある。リテラシーに疎い WEPP おじさんがおいそれと使いこなせる概念や代物ではない。

Q: Wiki の管理運用は誰がやるのですか?

Ans: 誰かがやる

まず Wiki サーバーの管理者が必要だが、これは WEPP における共有フォルダサーバーの管理と同じようなものなので大した苦労はないと思う。

問題は Wiki 自体の運用管理(使い方の啓蒙やトップページの整備など)。ここは誰かが頑張らないといけない。しかし、頑張りすぎるとルールだらけになって Wiki の「気軽に書ける」良さが削がれてしまう。難しい塩梅。

Q: Wiki だと複雑なテーブルレイアウトとか図表とか描けないじゃん

Ans: そもそも複雑な図表はそうは必要ないし、必要なら別ツールで描いた画像ファイルを貼ればいい

上述したデザイン症候群の可能性があるので、本当に図表が必要かを考えるといい。

もし必要だとしたら、別ツールで描いて画像ファイルに出力し、それを Wiki から表示させるのがいいだろう。

Q: オススメの Wiki は?

Ans: Wikipedia の実績がある Mediawiki が無難。

Pukiwiki は古い。メンテされてないし UI も古くて使いづらい。

Trac や Redmine は技術者寄りすぎる。IT リテラシーのない人にはハードルが高い。

Crowi は、導入できそうならしてみればいいと思う。メルカリや Yahoo を始め運用事例もちらほらあるので業務利用にも耐えうると思う。使ったことないので知らんけど。、

DokuWiki は使ったことないので知らん。