ポメラ DM200 を買ったので仕様とか使い心地とかまとめる
- この記事は?
- 背景
- ポメラ DM200 を一言で言うと?
- 大きさと重さ
- 見た目
- キーボード
- 操作感
- ファイル管理 UI
- ファイルの仕様
- エディタの機能
- ホワイトスペース
- バッテリーや充電
- PC にデータを送信するには?
- ポメラを運搬するには?
- (感想)いつでもどこでも使える
- (感想)日本語入力しやすいエディタ
- (感想)エンジニアにはストレスが溜まるかも
- 総括
この記事は?
ポメラ DM200 を買ったので仕様とか使い心地とか雑多にまとめる。
背景
私は書くことが好きだ。頭が弱くてメモが必要なのもあるし、だらだらを日記や小説や備忘録を書くのが好きな性分ということもある。普段は PC で、カスタマイズしまくったテキストエディタと Realforce キーボードでガシガシ書いているのだが、屋外ではそうもいかない。
今まではガラケーと MacBook Air を使っていた。しかし不満も大きく、
- ガラケー
- 文字入力が遅い(特にガラケー自体のレスポンス性能のせいで上限3-4文字/秒しか打てない)
- 画面が小さい
- ファイル管理しづらい(テキストは送信メールとして保存している)
- MacBook Air
- テキストを書きたいだけなのに何かと設定やら何やらが必要で面倒くさい
- ノートPCでは軽く頑丈な方だけど、やっぱりまだ重い(気軽に使う気にはなれない)
どうしたものかと思っていた。
ポメラは以前から試したかった。ちょうど DM200 という新しい製品が出たようで、ネットや Twitter 見た限り評判も良さそうだったので買ってみることにした。
ポメラ DM200 を一言で言うと?
大きさと重さ
- 大きさ
- 幅26.3cm、奥行き12cm、厚さ1.8cm
- 小型キーボードの91キー(テンキーが無いやつ)くらい
- ポケットに入れるには無理がある
- スーツの上着くらいのでかいポケットならかろうじて入るだろうか
- 重さ
- 580g
- リュックに入れてても気にならない重さ(1kg超のMacBookAirだと気になる)
詳しい詳細は 公式サイトのスペックページ などを参照。
見た目
- メイン画面はテキストエディタみたくテキスト入力領域
- メニューバーは無いが、Menu キーを押すと表示できる
- 下部にはステータスバー
- 入力モード、バッテリー残量、時刻などを表示
- 全画面表示で一時的に消すこともできる
文字入力に特化したシンプルな見た目で良いと思う。
キーボード
JIS 配列の91(テンキーレス)キーボード。まあ長文の書籍執筆や小説執筆もできるかなという程度には使い心地が悪くない。
- キー同士は少しだけ離れているため巻き込み(隣のキーも一緒に押してしまう)現象が起こりにくい
- キーの大きさは、打ちづらくない限界の小ささ
- 文字キーについてはミスタイプの多い私でもストレス無く打てる
- とはいえ Shif tキーやら半角全角変換キーなどはさすがに小さくて押しづらい
- キーの感触は、パチパチ系
- キーの深さは、浅い
- Realforce のようなしっかりした押し心地はない
- が、安物キーボードみたく押しづらいことはない
操作感
- Ctrl + C など基本的なショートカットキーは網羅
- ATOK or MS-IME のショートカットキー体系が使える
- ファイル/編集/表示/検索等の機能はファンクションキーに割り当てて一発呼び出しも可能
- ポメラ自体の設定やファイル情報表示はメニューから(これらもファンクションキー割り当て可能)
直感的で扱いやすい。Windows で秀丸エディタに慣れているなら説明書が要らないレベル。
ファイル管理 UI
- ファイル一覧がずらっと並ぶ&カーソルキーで選択する感じ
- フォルダをつくって階層化も可能
- ファイル新規/名前変更/削除/コピペなどもこの画面上で行える
- 並び替えはファイル名の昇順降順あるいは更新日時の昇順降順が使える
- 表示カラムはファイル名、更新日付、ファイルサイズ
最大の懸念だったけど、かなりシンプル&それでもって操作しやすい。100ファイルくらいなら十分管理できそう。1000ファイルになってくるとさすがにキツイか。
ファイルの仕様
- ファイル名は全角25文字くらいまで
- 拡張子は .txt 固定(ポメラ上では見えない)
- 文字コードと改行コードは設定で変更可能
- デフォは UTF-8 の CRLF
- 1ファイルの最大サイズはおおよそ30万バイト
ファイル名が多少短いのが不便(私はファイル名に要点を書くタイプなので)だが許容範囲。
エディタの機能
- アウトライン機能
- 使えるのは「. 見出し」あるいは「# 見出し」のいずれか
- もちろん「.. 中見出し」や「### 小見出し」などネストも可能
- 前/次の見出しへは Ctrl + ↑↓でジャンプできる
- アウトライン表示枠は左側固定
- アウトライン表示枠の幅は調整不可
- アウトライン表示枠上で見出しジャンプや見出し位置交換も可
- 検索/置換
- 正規表現は使えない
- ループ(最後まで検索したら最初の検索候補に戻る)も使えない
- 表示
- 縦書きレイアウト可能
- 原稿用紙表示可能
- 白文字黒背景/黒文字白背景の切り替え
- 文字サイズ調整
- ファイル情報
- 改行コード文字コード、文字サイズ、行数などを表示するダイアログを出せる
何よりもアウトライン機能が備わっていることが嬉しい。長文テキストを書く人の気持ちがよくわかっていらっしゃる。Markdown の「# 見出し」表記に対応しているのも地味にありがたい。
検索置換については最低限だが、まあポメラは(プログラムではなく)日本語文章向けだし致し方ない。
表示切り替えはかなり豊富である。特に小説を書く人にとっては大助かりではなかろうか。また、そうでなくても文字サイズ変更も地味に便利で、ショートカットキーに登録しておけばキー一発で表示サイズを変えれて便利。
ファイル情報は、これも文字数を気にする小説家やライターさん向けだろうか。欲を言えばダイアログではなくステータスバーでリアルタイム表示してほしかった。
ホワイトスペース
- 入力モードによらず常に半角スペース入力は不可
- Tabキーでスペース入力も不可
- Tab、スペース、Enterの印字も不可
プログラマ指向なのか私は半角スペース信者なので、その辺の融通が利かないのは不便である……。
バッテリーや充電
PC にデータを送信するには?
主に二つ。
- (方法1)ポメラ Sync を使って無線通信する
- (方法2)PC に繋いでストレージのように認識させる
好きな方を使えばいいと思う。私は無線Wifiとかそういうのがだるい(そもそもそういうの許容できるならスマホやら MacBook Air やら使えばいいし)ので方法2。デジカメで SD カードを使う時みたいなやり方なので簡単でしっくり来る。
方法2で不便なのは「PCリンク」をいちいち行わないといけないところか。USB を繋いだだけで自動的に認識してほしいものだが。それにPCリンクを行うってことは、ポメラを開いてからメニューを呼び出して操作が必要なわけで、地味に場所(というか高さ)を取るのよね。理想を言えば、ポメラを折りたたんだまま PC に繋いで認識させたかった。これでは煩わしくて「毎日PCリンクさせる」気にならない。私も今は週に一、二回である。
ポメラを運搬するには?
耐衝撃性を備えているわけではないのでケースは必須だろう。公式のケースも存在するが、「ピチピチで出し入れしづらい」「入手しづらい」とのことなので、私は採用を見送った。代わりに Loft で見つけた A4サイズのタブレットケース を使用中。
購入してから数回ほどリュックに入れて自転車に乗っているが、今のところ故障はない。重たい荷物で負担をかけたり、うっかりもたれたり、こけたりしなければ大丈夫……だと信じたい。
(感想)いつでもどこでも使える
スマホみたいに立ったまま文字入力するのは無理だが、小型ノートPCみたく膝の上に載せて使うのが苦しいということもない。小型ノートPC以上、スマホ未満の機動性といったところか。
……当たり前のことを言っているように聞こえるが、ポメラは軽いし、小さいし、起動時間も数秒なので、この効果は思いの外強い。PCを開くのがだるい時でも、ポメラなら躊躇無く開ける。机が無くても座りながら膝の上に載せて使えるし、なんなら地べたに座ってても使える。自宅でくつろぎながら使えるし、外でもちょっとした待ち時間で使える。この気軽さがものすごいありがたい。
しかしながらキーボードで入力する以上、肩幅は広げないといけないのでぎゅうぎゅうの電車やバス内では厳しい。
ちなみに、携帯ゲーム機よろしく両手で持てるので、立ったままでもファイル閲覧や設定変更くらいなら可能だ。
(感想)日本語入力しやすいエディタ
長文執筆も可能な程度には洗練されたキーボード、見出しにより章節を区切れるアウトライン機能、多様な表示スタイル、賢い ATOK、秀丸エディタみたいな無難な使い心地……と、中々悪くない仕上がりになっている。少なくとも私は自宅にいる時でも、ふらっとポメラを手にしては何か書くようになった。そうするだけの気軽さと使いやすさがあるということ。本当に、良く出来ていると思う。
(感想)エンジニアにはストレスが溜まるかも
ポメラにはエンジニアが使うエディタレベルの能力は無い。たとえばウィンドウを分割表示したり、正規表現で検索したり、よく使うフレーズをスニペット登録したり、補完入力もできなければ、ファンクションキー以外のショートカットキーもカスタマイズできないし、何より常に半角スペース入力とTabキーでスペース入力もできない。
したがってエンジニアとしてのエディタ環境に染まっている場合、思いの外ストレスになる。そこは「ポメラはそういうものだ」と割り切るしかないだろう。
総括
小型の文字入力端末としては良く出来ている。小さくて軽くて使いやすいので、ついつい無駄に開いてはどうでもいいことを書いちゃうくらいにはハマりつつある。
また、メモ手段としては、ガラケーほどの機動性はないものの、MBA よりは断然あるので、今後 MBA を使う機会は減っていきそうである。IT 勉強会にもポメラで参上すると思う。買って良かった。