「ストレスフリーの仕事術(52の法則)」を読んで GTD を学ぶ

GTD について知りたかったのでそこに焦点を充てる。それ以外のコンテンツはスルーした。

どんな本?

  • GTD についてのコンセプトおよびシステム(運用フロー)の説明
  • タスク管理全般に関する自己啓発ネタ
    • トピックが52個ある。拾い読みも可
  • 監訳者による「俺はこうやったら上手く行ったぜ」アドバイス(数ページ程度)

GTD?

  • GTD の肝
    • やること/やりたいことについて頭の中であーだこーだ考えて消耗するのをやめたい
    • そういった消耗をなくせば、その分をもっと生産的な仕事に充てることができる!ハッピー!
  • どうやってやめさせるの?
    • (1)まずは頭の中に入ってる「やること」「やりたいこと」を全部書きだすこと
      • 3時間くらいはかかるけど、吐き出したらめっちゃスッキリするよ
      • 10分くらいで詰まるけど諦めるな。2時間くらいは粘れ。
    • (2)吐き出したブツは「システム」に放り込んで、なるべく頭を使わずに消化していけるようにする
      • 「システム」は何でもいいけど、GTD ワークフローを参考にすると良いよ

GTD のシステム(ワークフロー)

調べたらわかるだろうから簡単にメモしとく。

1: インボックス

2: いつかやる
   ゴミ箱
   資料フォルダ

3: プロジェクト(週次レビューの対象)

4: 2分以内の単一アクション(今すぐやる)

5: 連絡待ちリスト(誰かからの反応待ち)
   カレンダー(指定日に実行するやつ)
   次に取るべき行動
  • LV1: まずはここに放り込む
    • インボックス …… タスクをとりあえず放り込んでおくところ。
  • LV2: インボックスから取り出して振り分けて
    • いつかやる …… 空いた時に処理するやつはこっちに入れる
    • 資料フォルダ …… リファレンス的なものは資料としてまとめておく
    • ゴミ箱 …… やらないやつはこっち。さようなら
  • LV3: レベル2で振り分けられなかったらプロジェクト化しなさい
    • プロジェクト …… 達成に二つ以上のアクションが必要なもの
  • LV4: すぐ終わることはその場で終わらせる
    • 2分以内かつアクションが一つのもの
  • LV5: レベル4で無理だったら、こうしよう
    • 誰かからの反応待ち → 連絡待ちリスト
    • 指定日に実行するもの → カレンダー へ( リマインダー のセットも忘れずに)
  • レベル5も引っかからなかったブツは、具体的に行えるアクションのはずなので 次に取るべき行動

GTD で外せないもの: 週次レビュー

週次レビュー はめっちゃ大事らしい。

週次レビューとは一週間に一度以上のペースで「プロジェクト」を見直すこと。状況も気持ちも刻一刻と変化するため、週次レビューという形で定期的に見直さないとすぐに形骸化してしまう。

  • Q: 週次レビューの時間はどれくらい?
    • A: 規模にもよるけど一時間くらいかかっても全然おかしくないよ

GTD で外せないもの: リマインダー

せっかくにカレンダーに登録したところで、当日その時のそのタスクを思い出せなければ意味がない。確実に思い出させるために リマインダー を導入するべき。

やり方は色々あるよ。

  • スケジューラのリマインダー機能
  • 指定日時にメールを送る仕組み的なのがあったらそれでもいい
  • ...

わからないこと

Q: 「プロジェクト」はどういう風に表現すればいいの?

少なくとも本書には書いてない。いや、無いことはないが、せいぜいこんなもん。

  • p144 『完全で正確に定義された「プロジェクト」リスト』
  • p207 『「プロジェクト」リスト/フォルダ』

……要するに「抜け漏れがなければどんな手段でも良い」ということか。

個人的にはその手段こそ知りたかった。たとえば Trello を使って、TODO リストを使って、GitHub、Evernote を使って……みたいなレベルで具体的に知りたかった。

私が思うに、この手の仕事術で最も難しいのは リスト化(外出し)した大量のデータをどうやって貧弱な頭で扱えるようにするか である。極端な例を言うと、項目が10000個あったとしたら、レビューはおろかざっと見返すだけでも何時間かかるかわからない。非現実的だ。これを出来るだけ短時間で、かつ負担無く見返し、扱えるように工夫しなければならない。その工夫こそが最も難しい。

GTD の作者さんでも、その解は提示してくれないということか。それとも優秀な頭脳を前提としていて「抜け漏れなくリスト化さえできれば後は対処できるよね」くらいにしか考えていないのか。ちょっと期待外れかな。

Q: GTD のシステムを流すタイミングについてのノウハウはある?

システムを流すタイミングは色々考えられる。たとえば以下があるが、どれが正しい?

  • インボックスに新しく何かを追加する毎に
  • 一日に数回くらい、適当なタイミングで行えばいいよ
  • 週次レビューに行うのが基本で、それ以外は基本的にノータッチ

また、システムと流すといっても、以下のように色んな操作が存在するが、

  • インボックスにアイテムを入れる
  • インボックスを振り分ける(LV2まで)
  • インボックスを振り分ける(LV5まで)
  • プロジェクトを整理する

どの動作をどのタイミングで行えばいいのか?

……などなど、システム運用をどうすればいいかが全くわからない。おそらく各自の自由なのだろうが、素人がフレームワークに従ったところですぐ詰まるのは目に見えているので、もう少し実践的なノウハウがあっても良いんじゃないかなとは思った。

試しに使ってみた

プライベートでちょっと大きな用事があるので、これに GTD を適用してみる。

自作のタスク管理メソッド Tritask を使ってガシガシとリスト化。いつ、何をしなければならないかを全部リスト化した。

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まだ完成はしていないが、おおよそ「これを見ながら消化していけば対処できる」「休日にでも週次レビューして見直せば抜け漏れも発覚するだろう」という安心感が得られるくらいにはなった。

一番大きいのは 一日何時間 x 数日をかけて可能な限りタスクを洗い出した ことだろう。つまりは GTD の一番最初の重要ステップである。本書を読まなければ、私はここまで時間をかけなかった。そして近い将来、数多のタスクに溺れて混乱していただろう。時間をかけて洗い出したからこそ、今、私はこうして安心感が得られている。なるほど、GTD さん、素晴らしいじゃないですか。

p.s. しかし用事一つだけでもこんなに時間がかかったんだから、自分の全てを洗い出すとなると数時間では到底無理ではなかろうか……